Evergreenにつぶやく

音楽

私の学生時代、My Little Loverという男女アーティストのグループが凄く人気でした。そのグループの代表的アルバム「Evergreen」、カバーされている曲もありますので、現代の子達も聞けばどこかで聞いたことある曲もあると思います。

私、このアルバムにまつわる、とある「罪」があります。簡潔に言えば「窃盗」です。しかし当時の状況ではなにも考える事が出来ず仕方が無かった・・・もうかなりの年月立っているので罪に問われることも無いでしょう。盗むつもりなどまったく無かったのに、結果、盗んでしまった。この出来事をつぶやきます。

※以下のつぶやきには少し脚色を加えています。
※カテゴリーは音楽なのに「Evergreen」の曲について、一切感想などがないです。

「友人A」

当時、とある高校2年の生徒であった私、6時限目もやっと終わり、いつも通り帰宅するため校舎を後にする・・・私は電車で通学、親しい友人たちは自転車が多く、その日の帰宅は私一人でした。校舎を出て一本道を歩いていると、制服ではない同い年くらいの子がこちらに手を振っています。

それは「友人A」でした。
その子は、高校を1年で中退し、何もせずに生活している「ニート」です。中退して約2カ月後に、今日と同じように高校前の通りで私を待っていたことがあり、その時に帰りがてらファミレスで話をしたことがありました。高校は「詰まらなくて」退学したこと、一切バイトなどしていないこと、昼間みんながいなくて暇なことなど・・・友人と言っても親友とまでいかない関係だった私は、なんか(この子とは長く続かないかな・・・)と思いつつ適当に会話して、別の友人と約束があると言って、その日は帰宅しました。

それから約4か月後、そんな友人Aがまた同じように会いにきました。
当時はまだ携帯電話が流通しだして間もなく、自慢したがりさんが学校に持ってきている程度で、当然私は持っていなかったですし、友人Aも持っていませんでした。連絡手段は家の電話だけなので、家電話が嫌いな友人はこのように直接会いに来たんだと思います。

ダブダブのだらしない服装に若干明るめの茶髪、ピアスまで開けていました。(これはないわ・・・)会ったその時から、もう友人ではなく知人へと関係が薄らいでいきました。Aは私を友人と思っていたかもしれませんけど。以前のようにファミレスに行こうと誘うAに対し、その日も別の友人と遊ぶ約束があると言い、話しながら駅へ向かうことにしました。

相変わらずニートで、ほかの学校の後輩も学校をサボり、一緒に遊んでいるとか・・・適当に相槌を打っていると、道中にある大型のCD・ビデオレンタルショップに寄りたいと言い、そこへ入ることに・・・この時はまだ、あんなことになるなんて思いもしませんでした・・・

「窃盗」

Aは何か探してくると言い店内を進んで行きました。ここはレンタルのほかにCD販売もしており、私はAとは別に邦楽コーナーで適当に見て回っていました。しばらくして、当時好きだったMy Little Loverのアルバム「Evergreen」があったのでジャケットを手に取って見つめていました。そこへAが登場・・・

A 「それ好きなの?」
私「結構好きなんだ」
A 「ちょっと貸して」

予想もしていないこと、予想外のことが起こると、人って何も出来なかったり硬直してしまう・・・我が身を持って実感しました。

Aは、私の背後に回り込み、背負っているリュックサックの小型ポケットのファスナーを開けてアルバムを入れ込んだのです。そしてすぐにファスナーを閉めました。

すぐに友人を見て「バカ!何してんの!取り出して!」・・・なんて言えませんでした。騒いで店員に気付かれたら、私が犯人にされます。かといって、自分で大きいリュックをおろして何かしている時に店員に見られてもアウトです。言い逃れ出来ません。

もう完全にパニックです。考える事が出来ません。何をどうしたらいいの?どうするべきなの?

A「出よう」
もう見つかるとか、逃げるとか、お金払うとか、何も考えられず・・・気が付くと私とAは自動扉手前で立ち尽くしていました・・・防犯センサーが作動して警報が鳴り響いていました。(ああ、捕まっちゃうんだ、私、どうなるんだろう、これから・・・)いまだパニック状態で、なんか第3者視点で自身を見ているような、そんな感覚でかなり虚ろでした。

店員がAのバックを開けています。

 私(・・・入っているのはこっちですよ・・・)
店員「これはお金払って無いよね?」
  A「はい・・・」

AもCDを盗んでいました。しかも6枚も。でも当然と言えば当然ですよね、私のリュックに勝手に入れてしまうくらいですから。

そして店員は私のリュックサックを下ろすように言い、私はその場に下ろすと店員が開いて確認しました。

「君は取ってないね、盗んだのはこっちの子だけだから君はもういいよ」

リュックサックを背負って振り返らずに店を後にし、気が付いた時は駅のホームでした。少しずつ正気を取り戻した私は、店内の出来事について考えられるようになってきました。

2つの偶然が重なりました。1つはリュックサックの小型ポケットの中まで確認されなかったこと。A
が6枚ものCDを大胆にも入れていたので、少し大きめのリュックの中がスカスカだった私は共謀犯ではないと思われ、小型ポケットまで確認する必要はなさそうと判断されたのかな?

もう1つは防犯センサーと自動扉の間のスペースで店員さんが確認したこと。警報に立ち止まった私たちを店員さんが事務所などに連れていって確認した場合、見つからなかった私は退店する時に再び防犯センサーを通り、警報を作動させていたでしょう。今回は防犯センサーの外で確認されたため、そのまま退店できたのです。

捕まらなかった安堵、しかしあとから呼び出される不安、3週間くらいはかなりビクビクしていました。結局は私には何事もなく、Aは以降、高校前に来ることも無くなり、一切の関係が無くなりました。この事は当時の周りの友人はもちろん、現在も繋がっている友人にも話したことのない事件でした。

皆さんならどうしたでしょうか?本当に人って動揺すると思考が停止してしまうんだなと実感しました。悪いのはAです。明白です。Aの行動によってしたくもない窃盗をしてしまった私も罪悪感をずっと感じています。

事情を説明してCDを返しても、信じてもらえず窃盗犯になっていたら?いったいどうするのが正解だったのでしょうか?・・・

以上、つぶやき終了です。音楽関係なくてごめんなさい・・・

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